スペイン全土には、今はもう廃線となって使われていない鉄道路線が3,100キロに渡って存在するそうです。そんな使われていない鉄道路線をサイクリングやハイキング・コースにしようという試みが政府系基金によって行われています。これらのコースはVías Verdes (Greenway, 緑の道）と呼ばれていて、環境に配慮しサステイナブルでかつどのような年代や障害のある人でも利用できることを目的としています。そのためハードコアなコースはなく、行ってびっくり (経験あり💦)なんてことはないらしく、初心者でも比較的安心してサイクリングが楽しめるそうです。
最近ではニューヨークのHighline (↓)をはじめ、シカゴ、ロンドンなどの都会にある廃線の路線では、散策ができるようにトレイルを作り市民に開放したりしていますね。
それに対してスペインのVías Verdesはスケールが大きく、スペイン全土に点在しています。恐らくそのほとんどが都会というよりは田舎の自然を楽しめるルート。
バレンシア州三県の一番北の県、カスティリョン県で海や絶壁を眺めながらサイクリングができる絶景のVía Verdeがあるというので行ってきました。こじゃれたビーチリゾートBenicàssimの端からその隣町のOropesa del Marまでの6キロほどのLa Vía Verde del Marというルートです。
Benicàssimは国鉄が通っているのですが頻度が少ないため、バレンシアからカステリョ・デ・ラ・プラナ (Castillo de la Plana)まで近郊電車Cercanias (所要時間1時間20分ほど) で行き、そこからBenicàssimのトレイルの入り口まで16キロほどサイクリングしました。以前、Castillo de la PlanaからBenicàssimまではずっと海沿いをサイクリングしましたが、今回はルートを少し変えて途中まで内陸の道を行くことにしました (地図↓の真ん中のルート)。このルートは最近整備されたばかりのサイクリング・ウォーキング専用のルートようで、とっても気持ちの良いライドでした。
ビーチ沿いに出てからもずっとサイクリング・レーンがありとっても自転車フレンドリー。日曜日だったのでたくさんの人が散歩していました。そして、Benicàssimの端っこまで辿り着くとビーチ沿いに豪邸が並びます。
このおうちアメリカの文豪ヘミングウェイも滞在したそうです。２階のバルコニーとポーチがちょっとアメリカ南部を連想させる建物。
こんな別荘欲しいですね。
こんなタワーのついたごてごてした邸宅も。
豪邸付近からビーチを望むとこんな感じです(↓)。写真の左辺りが今回の目的La Vía Verde del Marの入り口。
ちょっと行くとLa Vía Verde del Marの標識がありました。
入り口付近から眺めるビーチ。Benicàssimはどちらかというと控えめで大きい一軒家も多く多少高級感が漂います。レストランなども落ち着いていてイマドキなところが多いです。
La Vía Verde del Marのルートはこのような感じで、海沿いを北上します。
左には山、右に海を望みながらサイクリングスタート！左半分は舗装されていて、右半分は砂利道です。サイクリングは舗装されているほうと標識に書いてありますが、広がって散歩している人も多いので、あまりスピードを出す感じの道ではないです。ゆっくり景色を楽しみながら行きました。
初っ端、絶壁が現れます。山を切り崩して鉄道を引いた名残。
辺りが開けると廃墟となった古いタワーが出現。ちらほらとタワーがあります。
とにかく絶景。
海が見える松林を通り、終盤に差し掛かったところで立派なトンネルが現れました。
暗くて足元が見えずちょっと危ないですが、一応ライトが付いています。
お天気も良く、海もとってもキレイでした。
トレイルの終わりにはOropesa del Marのヨットハーバーがあります。
そしてその先のビーチ。Benicàssimよりも大衆的ですが、こじんまりしていて静かでした。
それほど見どころはありませんが、お城があるというので行ってみました。こじんまりした丘のてっぺんにあり、海が一望できます。
帰りは同じ道を戻って、Castillo de la Planaの駅まで、往復55キロほどのサイクリング。長距離サイクリングに慣れてきたこともありますが、全体的に高低差がほとんどないので、比較的簡単でした。La Vía Verde del Marは、6キロほどのコースで海、山、松林、トンネル、切り立った岩などバラエティに富んでいて面白く、景色もとってもキレイでおすすめです。
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