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国境の町ナルバからロシアの生活を垣間見る

エストニアのタルトゥから、首都のタリンに行く前にどこかでもう一泊できる感じだったので、ロシアとの国境の町、ナルバ(Narva)行ってみることにしました。


国境の川を挟んで両側にお城と城塞がある写真が素晴らしくて見てみたいと思ったのですが、こんなにロシアに近くてそもそも見れる距離まで近寄れるのか、厳戒態勢で兵士がガードしているんじゃないかとか頭によぎりました。


いずれにしてもエストニアはEUそしてNATO加盟国なので、ロシアがなにかすることはあり得ないし、ナルバ観光局のウェブサイトにもそう書いてあり「だから来て!」とのこと。とりあえず行ってみました。


タルトゥからはナルバ行きのマイクロバス。


町はソ連時代に建てられたと思われる建物がズラーッと並び、当たりもロシア語表記だらけ。ロシア語を話しているのがあちらこちらから聞こえてきます。この辺りはロシア系の住民がほとんどだそう。


どんな僻地かと心配していたのですが、新しいショッピングモールなどもあり、グーグルマップのサテライトイメージで見るより栄えていて安心しました。


街の中心から国境は歩いてすぐ。国境の橋に続く入り口↓。ほとんど車は入っていきませんが、前日リガからタルトゥまで乗ったLux Expressのバスがエストニア出国のところで停まっていました。お城を見て戻ってきてもまだ停まっていたので、結構時間がかかっていそう。


ナルバの見どころは国境のある川沿いのエストニア側にあるハーマン城ロシア側のイヴァンゴロド要塞。これが感動の嵐。


町の中心から歩いて行くとあるハーマン城の最初の城壁はまあよくある感じです。


デンマークの王が14世紀にこのハーマン城を築いたそうです。その後ドイツ騎士団の自治的な分団、リヴォニア騎士団がデンマーク王からナルバを含む北エストニアを14世紀中頃に購入し、その後長い間このお城を保有していました。


15世紀の終わり、この向いのナルバ川沿いにロシアがイヴァンゴロド城を建設したことから、リヴォニア騎士団はハーマンタワーと呼ばれる下↓の白いタワーをハーマン城に建設し、ナルバの町を要塞で囲ったそうです。ナルバの要塞は一部しか残っていませんが、ハーマン城は第二次大戦で被害を受けたものの修復されこの通りキレイに保存されています。グラウンドが工事中でしたがそれでも見事。国境の川はこの裏に流れています。


グラウンドの端っこにはレーニン像が… 


ぐるっと川の方にまわると… 見えました、ロシアのイヴァンゴロド要塞


下に降りてみました。手前に金網の柵があるので↓、国境警備隊が設置して向こうに行けないようにしたのかなと思ったら、金網の向こう側にも人が歩いています。どうやらただの工事中の柵だったよう。この柵を越えてもっと近くに行って川沿いを歩いてみることに。


国境線は下のようになっています。川の左側のNarva Museumと書いてあるのがハーマン城。右側がイヴァンゴロド要塞です。


もうほんと見事としか言いようのないイヴァンゴロド要塞が目の前に広がります。川の真ん中から向こうはロシアです。近すぎる!!


こちら側(エストニア)で散歩している人や釣りをしている人が結構いるのですが、向こう側を見るとやはり散歩をしている人たちが。お互いの方向を見たりしていますが、叫んだりとか、手を振ったりとかはありませんでした。ナルバはロシア系住民がほとんどなので、親戚や知人が向こう側にいる人もいるのかもしれません。


ハーマン城も川の方から見るとその城壁とタワーの高さにびっくり。


こんな感じで↓、中世から覇権争いをしていた二つの国が、川を隔ててそれぞれ見事な要塞を建てて睨み合っていたなんて。


イヴァンゴロド要塞にはロシアの旗がなびいていて、右側のタワーの上に(写真二枚目)は観光客の姿も見えます。それよりびっくりしたのがロシア側の釣り人達。何人も川にまで入っています(写真二枚目)。大きい魚が連れたのかみんな駆け寄ってきていました。


この辺りは国境は川の真ん中よりも向こう側。もしかして国境を越えてるんじゃ?という感じでした。しかも川も浅そうなのでロシアから国境を越えようと思えば簡単にできそう。


すぐ左に国境の橋があって、そこにはカメラは付いていそうでしたが、そのほかはとくにカメラらしいものは見当たりませんでした。国境警備隊が川を見張ってるなんてことも全くなしで、かなりゆるゆる。川の真ん中辺りでモーターボートに乗っている人たちもいました。


結構歩いて国境の橋を渡っている人もいます(ビデオ↓)。英語のガイドブックによるとウクライナの戦争前は、ロシアの方が物価が安いのでエストニアからロシアのイヴァンゴロドまで買い物に行く人が多くいるということでした。ただ、エストニアは9月からロシア人の観光や親戚・知人訪問などの短期ビザ保持者の入国を禁止しているので、行き来は随分減っているのだと思います。ということは今渡っている人たちは、商用ビザだったり、国境を越えて働いている人たちなのでしょうか?


橋の上はエストニアからのトラックや乗用車がずっと停まっていて、ロシア側の関門で永遠と待たされているらしく、多くの人が車から出て橋から外の景色を眺めて時間を潰していました↓。


どこから見てもハーマン城とイヴァンゴロド要塞が圧巻。イヴァンゴロド要塞はエストニア側から見るのが一番。ロシアの人がこれを見れないとは…


そして、携帯電話はエストニアを含むEU内はローミングが一定容量無料なのですが、恐ろしいことに宿泊先で夜遅くにロシアのローミングをキャッチするという…


ロシアとエストニアの関係は首都タリンでローカルに色々聞いてもっと知ることになるのですが、そちらは追って。


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