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リトアニア・カウナスで杉原千畝の「命のビザ」の舞台を辿る

日本版シンドラーとして知られる外交官、杉原 千畝(すぎはら ちうね)。日本政府の訓令に反して迫害を受けるユダヤ人にビザを発給し、何千人ものユダヤ人の命を救ったとされていて「命のビザ」として知られています。ご存知の方も多いのでは?


2015年には唐沢寿明主演で映画化されています。トレーラーはこちら↓ロケは残念ながらリトアニアではなくポーランドで行われたそうです。


私も日本のテレビでドキュメンタリーを見たことがあるのですが、それが彼がリトアニアに赴任中だったときに行ったことというのは全く覚えておらず、カウナスに行く電車の中で観光局のウェブサイトを読んで知りました… 日本のガイドブックには絶対書いてあるんでしょうけど…


ヴィリニュスを含む東リトアニアがポーランドに侵略されたことによって、カウナスはリトアニアの暫定的な首都となり、ロシアが進行しつつある1939年に杉原氏はリトアニアに赴任となりました。


鉄道駅に到着すると駅のホーム側にある壁に杉原氏の功績を記したプレートがリトアニア語と日本語で掲げられています。現在の駅舎は戦後建てられたものなので当時とは異なりますが、命のビザを発給したあとここから杉原氏はリトアニアを出国したそうです。


1939年から1940年にかけて彼の在籍していた日本領事館が鉄道駅からそんなに遠くないところにあるのでその足で早速行ってみました。


リトアニア全国に知られているかは分かりませんが、カウナスでは有名人のようです。


よほど杉原の足跡を辿って日本人が来るらしく、カウナス観光局は日本語のパンフレットをかなり気合いを入れて作っています。


旧総領事館は丘の上にあり、きつい階段を登っていかなければ行けないのですが、迷っていると、近隣住民の男性が「こっちじゃなくて、向こうの階段だよ。日本人?」と、どこ行くとも何も言ってないのに親切に教えてくれました。階段を登り切ると閑静な住宅街にありました。


今は「杉原記念館」として彼の功績をたたえた博物館となっています。開館時間前だったので外観だけ。外務省によると、2019年の入館者数は約2万人弱で、その内85%を日本人が占めるそう。日本とウクライナの旗が掲げられ、門には日本語で「希望の門 命のヴィザ」と刻まれています。


次に杉原氏の妻が出産のため入院したという産婦人科病院↓別にそこまで観光スポットとして載せることはないと思いましたが、次回書く予定のモダニスト建築の建物を探し歩いている際に通りかかったので、記念プレートがあるかと思って探しましたが、特に何もありませんでした。ここは現在でも産婦人科病院です。


最後に杉原氏が滞在した新市街の中心にあるメトロポリス・ホテル。ソ連に領事館を接収され、リトアニアを出国するギリギリまでここで命のビザを発給し続けたそうです。現在も同ホテルのまま。


先述の映画のプレミアがカウナスで行われてここで主役と監督が記念撮影しています。


杉原氏の正義感と行動力には感服。今の外交官でここまでできる人はいるでしょうか?もちろん今の時代で実際に上の許可なく手続きをすることは事実上無理というのはあるでしょうが…。


いずれにしても、杉原氏の人道的な行動がカウナスの人の心に刻まれていて、日・リトアニア友好に貢献しているのは間違いないです。


町中では日本人観光客を二組くらい見かけました。ツアーのオプショナルになっていたりするようで、ヴィリニュスから日帰りで訪れる日本人が多いようです。


私にとっては、完全に予定していなかった観光になりましたが、とっても興味深く嬉しいサプライズでした。


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