バレンシア市の南に位置するEl Palmar。すぐ北にあるAlubuferaと呼ばれるラグーンと周辺の水田地帯は何度か紹介しています。
記事の多さがその広大さを物語っています。パエリアに使われるお米は主にこの辺りで生産され、パエリア発祥の地でもあります。
El Palmarはバレンシア市の中心から22キロ南に行ったところにあるとっても小さな町（町と言っても実はバレンシア市内）ですが、とにかくそこら中、パエリアのレストランだらけ。ちょっと離れたところにあるパーティーや結婚式などのバンケットもできる大きなお店から、中心地のこじんまりとしたお店、客引き熱心な観光客目当てのお店から、客引き全く興味なしのお店まで。
町はとってもコンパクトなのに町の隅っこには大型観光バスが停まれる大きな駐車場がいくつか。もちろんコロナ禍の今は訪れる観光バスはありません。
今回はいつものように、バレンシア中心から自転車で行ってきました。所要時間2時間弱。真っ青の海を眺めたり、松林を通り抜けたりのとっても気持ちのいいサイクリング。
この辺り特有の三角で茅葺屋根の建物もちらほら。
町の端っこから眺めた水田。
目抜き通りの噴水のある広場が特に客引きの多いエリア↓。このエリアにあるツーリストメニューは飲み物やデザートも含めて14€くらいとかなり安いですが味はどうなのでしょうか？ドイツ語メニュー、英語メニュー、フランス語メニューと並び観光客のあまりいない今はちょっと寂しげ。
一本通りを外れると、運河のある通り。ここにもパエリア・レストランがずらり。
そして今回の目的地は、この運河沿いにある「Maribel」というパエリア屋さん。去年の年末に2021ミシュランのビブグルマンを獲得。El Palmarでは唯一ミシュランを獲得しているレストランだそうです。バレンシア州で新たにミシュランに追加されたのはここだけということで、発表されたときちょっと話題になっていて、気になっていました。
一応前日に予約を取っていきましたが、コロナ禍で観光客もほぼ皆無なことから予約なしでも全然余裕な雰囲気でした。また観光客が来るようになったら忙しくなるのでしょう。
運河沿いの席。運河にはレストランの名前の入ったヨットが飾られています。
帰るころにはそこそこ席も埋まってきました。
さて、肝心の食べ物ですが、最初はトーストとアリオリ＆トマトペースト。
前菜はイカ、そら豆と松の実にビネグレットソース。ハーフサイズを二人でシェアしましたが十分の量でした。プレゼンテーションも良し、イカもとっても美味しかったです。ここはアジア風の前菜もあります。
そしてメインは、ミシュランガイドにおすすめと書いてあったArroz del Senyoret。なんでも昔、バレンシアの一紳士がよくシーフードパエリアをオーダーしていたらしいですが、手が汚れるためエビなどの殻を剥くの嫌でレストランにどうにかならないかと相談したところ、全部殻を剥いたスタイルで出してきたそう。この紳士にちなんで「紳士のパエリア」という意味のArroz del Senyoretという名前になったそうです。具は二種類のエビと白身魚、そしてお米と一緒に炊かれたムール貝、細かいイカと白身魚。
パエリアのお味はというと、とにかくびっくりするほどしょっぱい！魚介のネタやお米の炊きかげんは合格なのですが、魚介だしが濃厚でとにかくしょっぱくてしょっぱくて、パートナーはスプーン二杯くらいで断念。以前フィデウア（パスタ版パエリア）発祥の地Gandiaで食べたフィデウアも結構しょっぱかったので、やっぱり本場は結構しょっぱいものなんでしょうか？それとも魚介だけで、バレンシア風に肉ベースのパエリアにすれはあまりしょっぱくないのでしょうか？ミシュランガイドおすすめのパエリアなので審査員も食べていると思うのですが…
そしてパエリアが出てきてすぐ現れたこの方。じーっと待っています。
しょっぱいのでネコは塩分大丈夫かなと心配だったのですが、ペロッとムール貝やイカを平らげていました。食べても食べてもまだ物ほしそうに待っています。結局食べ終えるまでずっと私の右側にちょこんと座っていました。パエリアのライスは完食できませんでしたが、魚介は全て私たちとネコのお腹の中に収まりました。帰り道もずっと口の中がしょっぱくて、水を飲んでも飲んでも喉がカラカラ。しばらくはパエリア・フィデウアはいいかな…
ちなみにEl PalmarからAlbuferaのラグーンのサンセット・ボートツアーなどもでています。
El Palmarへはバレンシアの中心からはEMTの24番バスで行くことができます。所要時間は40分強。ただし、あまり遅い時間は走っていないようですのでご注意を。今回ご紹介したMaribelは正面にカスタマー専用の駐車場があります。
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