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ソ連の黒歴史を語る、リトアニア・ヴィリニュスの元KGBの収容所

更新日:2022年11月27日

ヴィリニュスの新市街には、リトアニアのKGB本部がかつてあり、ソ連崩壊の1991年まで使われていました。その建物は今でも残り、大半は今でも政府機関が入っていますが、一部地上階と地下が博物館として公開されています。


「占領と自由闘争の博物館」という名称の博物館で、ソ連時代にKGBがリトアニア市民に対して行ってきたことを振り返り、ロシアによる占領と独立までの市民の闘争を綴った展示がされています。


とても立派な建物です。


この建物内でKGBによって銃殺されたリトアニア市民を称えたプレートが正面に掲げられていて、それら個人の名前が彫られています。


博物館の入り口は正面の入り口ではなく、右側の小さい入り口。


1階と2階は展示スペース。KGBの諜報活動の対象になったリトアニア人のストーリーから、KGBの歴史や組織について、KGBの制服やクリスマスカード、盗聴器などの諜報機器の数々、尋問のビデオやデモ参加者を撮ったビデオなど生々しいものも。


地下は反ソ連と考えられたリトアニア人を収容した収容所。薄暗くてちょっと怖いです。


階段を降りていきます。


永遠と続く長い廊下。基本ドアが開いていて、各部屋に自由に出入りできるようになっています。


連行されてきた市民が手続きが終わるまで最初に待機する部屋。上からほんの僅かな光が入るだけでほぼ真っ暗。


そしてガードの部屋や収容部屋。


このKGBの収容所、欧米でかなりヒットしたHBOのミニシリーズ「チェルノブイリ」でKGB収容所として撮影に使われました。事実に基づいたドラマで、エミリー・ワトソンが演じる原子力科学者の女性がチェルノブイリで何が起こったか真実を突き止めようとしたところ、KGBに捉えられ収容所にブチ込まれたという筋書き。福島ともダブり、とてもよくできたドラマです。



このほかにも奥の方に、水責め部屋などの拷問部屋も。苦しんでいるのが聞こえないよう、部屋の中の壁や天井に厚いパッドを敷き詰めてあり、パッドには血痕もついているようでした。


そして暗くて狭い中庭に小さな運動場があり、その横に更に下に降りる階段が。「処刑場」と英語で書いてあり、霊感とかないですが、そこだけ空気がよどんでいて、なんだか音が聞こえてきていました。


ちょうど来た男性二人と一緒ならとも思いましたが、結局断念。


最後の方は恐怖で写真を撮ることができなかったです。


ソ連崩壊でKGBが去ったときの1991年のまま多くのものがそのまま保存されていました。KGBがどんな諜報活動を行っていたかリトアニア政府で検証したのでしょう。


1991年まで市民に対して拷問が普通に行われていたというのは驚きです。バルト三国は今回のウクライナでの戦争でかなり反ロシアのスタンスをとっていて、リガで行った軍事博物館もそうですがその理由が多少なりとも分かった気がしました。


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