top of page

日本人が活躍!バレンシア・イトゥルビ国際ピアノコンクール

3年に一度(以前は2に一度)ここスペイン・バレンシアで開催されているバレンシア・イトゥルビ国際ピアノコンクール。1970年代から続くコンクールです。


戦前から戦後にかけて主に米国で活躍していたスペイン・バレンシア出身の指揮者・ピアニストそして作曲家でもある、ホセ・イトゥルビにちなんで名づけられたコンクール。去年バレンシアではイトゥルビの生誕125年を記念して各地でコンサートなどが開催されていました。彼にはいろいろな逸話があり、例えば当初は車を運転してコンサートの移動をしていた彼ですが、あまりに運転が下手で事故が多く車を廃車にしていたことから、「自分は車の運転には向かないから、飛行機で移動する」といって飛行機の操縦免許を取ったそうです。その映像受けする人柄から、ハリウッド映画などにも多数出演し、フランク・シナトラとも共演したとのこと。「クラッシック奏者がハリウッド映画に出るなんて!」と批判されることもあったらしいですが、彼のおかげでアメリカの大衆にクラッシック音楽が広がったともいわれているようです。ピアノと指揮を両方こなすこんな映像も残っています↓


さて本題に戻り、このコンクールのことを知ったのはすでに予選が始まってからのこと。ピアノコンクールと言えば、直木賞と本屋大賞をとった恩田陸の「蜂蜜と遠雷。何年か前に読んでコンクールの魅力にはまりました。そして、ポーランドのショパンコンクールのNHKBS1ドキュメンタリー「もうひとつのショパンコンクール〜ピアノ調律師たちの闘い〜」も結構面白く、あの世界を見てみたい!と思い今回のプログラムを見ると...


  • Anastasia Yasko - Russia

  • Antonii Baryshevskyi - Ukraine

  • Mihkel Poll - Estonia

  • Tsubasa Tatsuno - Japan

  • Florian Feilmair - Austria

  • Vincent Ip - USA

  • Airi Katada - Japan

  • Ryutaro Suzuki - Japan

  • Juan Barahona - Spain

  • Salome Jordania - Georgia

  • Alexey Sychev - Russia

  • Andrei Ivanou - Belarus

  • Hanna Yuko - Belarus

  • Zifan Ye - China

なんと14人中3人が日本人!あとは旧ソ連が諸国断然多い。PDFのプログラムとウェブサイトで出場者リストが異なるのでコロナ規制などで辞退した人もいるようです。


第1ラウンドと第2ラウンドはすでに終わってしまっていたので、残りはセミファイナル(2日間)、ファイナル(2日間)、グランドファイナル。オーケストラの付く、ファイナル初日とグランドファイナルに行くことにしました。チケットはすべて無料!


会場はバレンシア市役所に近い、Teatro Principal


古めかしいシアター。意外と小さいのでどこからでも結構いい眺めです。


装飾がごてごてでいかにもヨーロッパの町で一番のシアターといった趣。


ファイナル初日


ファイナルの曲はベートーベンのコンチェルトからの選曲。この時日本人一人すでに脱落していました。実は2日目のチケットを入手していたのですが、第2ラウンドの後の結果を見たら日本人2人はファイナル初日に入ってしまったので急遽チケットを変更…。

  • Andrei Ivanou - Belarus ピアノコンチェルト第5

  • Airi Katada - Japan   ピアノコンチェルト第4

  • Ryutaro Suzuki - Japan ピアノコンチェルト第5


Andrei Ivanouと鈴木隆太郎の曲が同じで、比べられるのはコンクールの醍醐味。果たしてそんなに違うのかな、素人に違いが分かるのかな?と半信半疑でした。


オケはバレンシア・オーケストラ


ベラルーシのAndrei Ivanouは、大きい人でしたが、まったく音色が響かず、正直棒読みではなく棒弾き。表情も変えず、ボディームーブメントはほぼなし。うーん、バレンシアだとこんなもんなのかな…とちょっと残念。


片田愛理は表情豊かでしたが、途中から口だけマスクで演奏していてちょっと気になりました。


最後の鈴木隆太朗は、パリと日本を拠点にしていてオーケストラとの共演もお馴染みらしいです。最初の演奏者と同じ曲なのに、全然違う曲に聞こえる!音も響いて、とっても軽やかでした。ピアノが違うとオーケストラも違って聞こえるから不思議。素人耳にも結構分かるもんです。


案の定、この3名で通過したのは鈴木隆太朗の1人でした。彼はベートーベンの曲を弾いた6人の中で1位を獲得。2日目からは2人が通過しました。


グランドファイナル

そしてグランドファイナル。ラインナップは、

  • Ryutaro Suzuki - Japan チャイコフスキー コンチェルト第1

  • Salome Jordania - Georgia  チャイコフスキー コンチェルト第1

  • Alexey Sychev -Russia   リスト コンチェルト第1


公式の映像があるので、個々の感想は割愛。ご興味のある方はどうぞ。


鑑賞した2回ともピアノはスタインウェイか河合だったのですが、河合は日本人らしき調律師が来ていました。前回のコンクールの評を読んでみると、どうやら河合ピアノは音が結構響くようで、確かに河合を弾いていた演奏者はかなり音が響いていました。


日本人に頑張ってほしいと思いつつ、ロシアのAlexey Sychevが優勢かなという印象。なんでも彼は3つの異なるリストのコンクールで優勝していて、リストの曲に関しては評価が高いそうです。どうりで…。


そして、翌日に結果発表!


1位:該当者なし

2位:Alexey Sychev - Russia

3位:Ryutaro Suzuki - Japan

   Salome Jordania - Georgia


なんと1位は該当者なし!ショパンコンクールなど有名なコンクールでは、該当者なしの年もあったかと思いますが、知名度がそれほどないバレンシアでもそんなことがあるんですね。どうやら優勝者はアメリカのレコード会社とレコードデビューの契約があるらしいので、まあ、アメリカ?でデビューするほどの才能はないということなのでしょう…。やっぱりコロナ規制で来れなかった人たちがいたことが演奏者の質に影響していたのかもしれません。


結果はともかくとして、聴き比べを楽しめたのでまた機会があったら鑑賞したいです!


励みになりますので、是非以下ブログランキングサイトのクリックをお願いします!

 ↓ ↓ ↓






Desert Nature
bottom of page