バレンシア市の北にあり畑に囲まれたメリアナ市。ここに、19世紀には世界の王族や貴族が訪れたというモザイクのショールームなっていたPalauet de Nollaというお屋敷があります。
Palauet de Nollaは、17世紀の終わりに農場の家屋として建設され、19世紀の中頃にはカントリーハウスとして改修。その後19世紀後半に、モザイク工場を経営していたMiguel Nollaによって彼の会社が生産するモザイクを重要な顧客に紹介するショールームとして改築され、スペインの著名人や国王のみならず、ロシアのロマノフ家やドイツ皇帝やルーマニア国王も輩出したドイツのホーエンツォレルン家 , アメリカの外交官など世界中の著名人が見学に訪れたそうです。
全盛期は賑わったPalauet de Nollaも、1960年代には廃墟と化し、ようやく2012年にメリアナ市が購入。その当時は結構ひどい保存状態で、まるでホーンテッド・ハウス↓
その後市によって改修が行われ、2020年にようやく一般に公開されたそうです。歴史を読んで面白そうだったので行ってみることにしました。白のペンキが真新しいです。
修復と言っても隅から隅までというわけではないらしく(それとも途中?)、建物を横から見るとモザイクは剥がれたまま。上部には以前のオーナー、Miguel Nollaの肖像が描かれています。真っ白でシンプルな正面と異なりかなりごてごて。
全て隣の工場で作られたモザイクです。
見えますか?タワーにはちょっと怖い顔が描かれています。
バルコニーにもモザイクが施されています。
正面外壁の下のほうも。
畑に囲まれたこんな片田舎に世界中の富豪や王族が訪れていたなんて今では到底信じられませんが、建物内は全盛期の面影が残ります。内部は建物にまつわる写真が展示されていて、係のおじさんが丁寧に説明してくれました。
天井から壁、床まで装飾が素晴らしいです。残念ながら2階は公開されていませんでした。
フロアはもちろんモザイク。世界の宮殿にもここのモザイクが使われていたりするのでしょうか。
見学は20分もあれば十分ですがなかなか興味深い展示でした。立ち入りはできませんが、この建物の左隣にある赤レンガ造りの元のモザイク工場も見事な建築です。
Palauet de Nollaは無料で見学できますがコロナ禍の現在予約制となっています。詳しくは、メリアナ市の公式ウェブサイトを参照。
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